
ロボット床下収納

ロボット床下収納は、住宅の床下空間を活用した新しい収納システムです。
荷物の出し入れが自動化されるほか、これまで居住空間にあった収納スペースを床下に移すことで、空間の自由度がさらに向上します。

仕組み
ロボット床下収納は、住宅の床下空間を、ただの基礎部分ではなく「使える収納空間」として活用するための仕組みです。
その中核となるのが、荷物を自動で運搬する荷物運搬ロボットと、荷物を上下させる床下エレベーターです。
対応する荷物の最大寸法はW450mm×D450mm×H470mm、重さは25kg。
収納例として、2Lペットボトル×6の箱2個、コンパクトな五月人形やひな飾り、季節衣料・雑貨、ぬいぐるみ等を想定しています。
さらに、自動配送ロボットポートが実装されると、届けられた荷物の一時保管場所としても利用が可能です。複数の荷物を自動で受け取ることが出来るため、再配達の発生防止にも有効となります。
床下を収納スペースとして活用し、さらにロボットやエレベーターで荷物整理を簡単にするための基本設計として、ロボット床下収納用の“プレガイドライン”の策定を進めています。
このガイドラインに沿って設計される住宅では、次のような準備を行います。
スペースの確保
荷物や、それを整理するロボットの活動スペースを確保するため、床下に最低高550mmの空間を設けます。一般的な住宅の基礎高からは、200mm程度高くなります。

ロボット通路の整備
床下で活動する荷物運搬ロボットは、ロボット掃除機等と同様に、回転ホイールによる移動が想定されます。床スラブが平滑であることで、荷物運搬ロボットのスタックを防止します。
また、床下空間を収納エリアとして利用するにあたり、収納する荷物が極端な温度・湿度変化にさらされないよう、断熱施工を行います。このとき、断熱材などがロボットの活動や収納エリアに干渉しないよう、適切な工法を選択することも大切です。
床下は、上の図のように、荷物を格納するエリアとロボット通路となるエリアに分けて用いられます。
組み込み例
荷物の昇降に用いる床下エレベーターは、住宅設備への組み込みが可能となります。
例えば、階段下のスペースやシステムキッチンなどを利用することが想定されています。
床下エレベーターは高さの異なる2種類が用意されており、用途や組み込み場所に合わせて選択可能です。
FL±0のエレベーターは荷物がちょうど床の高さまで上昇し、FL+850のエレベーターは床から850mmの高さまで荷物が上昇します。

FL±0のエレベーターの住宅設備組み込み例

階段下のスペースに床下エレベーターを組み込んだ例

システムキッチンに床下エレベーターを組み込んだ例
導入メリット
- 収納スペースの増加
- 自動配送ロボットやドローンによる無人宅配への対応
- 基礎高の増加による床下点検の効率化
- 基礎高の増加による床上浸水の防止
導入デメリット
- 基礎高の増加に伴う建築コスト増加
- 基礎高の増加に伴う玄関ポーチの階段の段数増加(1段分)
収納以外の床下活用
床下の空間は、荷物の保管以外の活用も見込まれます。荷物収納以外の活用についても、今後展開予定です。
関連ページ
なぜロボット床下収納が必要?物置の方が安いのでは?など、よくあるご質問とその回答を掲載しています。
「住宅デバイス」の技術動向と、設計・建築の現場で必要となる構造対応を整理したレポートを公開中です。
プレ認定対応準備における、設計上の注意点などをとりまためた手引書をダウンロードできます。